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安全・安心。
そしてさらなる「はかる価値」を創る。
老舗は常に新しい。
だからこそ140年間、求められてきた。
安全で安心できる持続可能な社会づくりに貢献する。
分銅づくりから始まり、はかりをつくり、現在では環境機器の製造まで手掛けるようになった当社の140年の歩みを振り返ると、モノづくりを通して、「安全で安心できる持続可能な社会づくり」に携わってきた歴史であったと思います。正確なはかりをつくることで、お客様に取引や品質管理における安全・安心を提供し、環境機器の製造を始めたのもお客様のビジネスにおける問題点を解消することで事業の継続を支えたいという思いからでした。当社のビジョンは「はかりの製造」にとどまりません。「はかる技術」を活用してさまざまな「安全で安心できる持続可能な社会づくりに貢献する製品」をつくっていく。将来は、取引や製造プロセスにおける安全・安心だけでなく、もっと身近な人の安全・安心を支えるような製品も開発・提供していくようになるかもしれません。
「重さをはかる」から「情報をはかる」へ。
重さを正確にはかると、その重さがもつ情報がわかるようになります。例えば、1個10gのねじが入った一杯のバケツの重さが10㎏であれば、バケツの中のねじは1000個だとわかる。情報は新しい価値を生み出します。
2006年に当社が横浜港湾貨物計量協会から依頼を受けて共同開発した「satrs(サトルス)」というトラックスケールがあります。依頼内容は「コンテナを開けずに重心位置を知りたい」というものでした。実は、1970年代に港湾のコンテナ化が急速に進みました。その中でコンテナトレーラーがカーブで横転するという事故が多発。原因は積み荷の重心の高さでした。ところが輸送中にコンテナを開封して中の様子を確認することは、国際法上できません。そうした状況に苦慮した末の依頼でした。そして完成したのが「3次元重心測定システム・サトルス」です。これも重さをはかる技術を発展させた例だと言えるでしょう。
当社では、新製品の開発は通常業務です。会社が生き残るためではありません。時代とともにニーズは変わります。それにあわせてはかりも当社も進化するのです。
信頼を得るべきは何より「人」。
実績のない新製品を買う時に、お客様は何を信頼するのでしょうか。それはブランド、データ、ルール準拠、そして「人」であると当社では考えています。日々の営業活動を通じて築いたブランド、実験によって得られたデータ、公的に認められたルールへの準拠があり、営業・技術の「人」が信頼されているからこそ、新製品は売れるのです。
当社では140年にわたって積み上げてきたブランド、整備された実験室から得られるデータ、公的ルールの制定過程から貢献する中で培われるルールへの深い理解と実践、そして、社員一人一人が信頼される人物であること…これらを地道に行うことで、新製品を世に打ち出してきました。当社の社員に求められる条件とはお客様や周囲の信頼に応えること、そして可能な限り期待に応えようとする誠実さなのです。