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「どうやってはかるか」ではなく
「何のためにはかるのか」。
最大の資源はお客様。
顧客ニーズがチャレンジの原動力を生む。
技術はお客様のニーズに応えるためのもの。
当社は「完成品」をつくるメーカーです。「完成品」と「部品」の違いを端的に言えば、「部品」はお客様が要求するスペックに忠実に応えるモノづくりであり、「完成品」はお客様がやりたいことに応えるモノづくりであろうと思います。
そのためにはお客様が「何のためにはかるのか」を的確に把握することが出発点です。「どうやってはかるか」は目的を達成するための手段。メーカーとしての私たちの価値は、その手段を駆使してお客様のやりたいことを叶える「完成品」をつくり、届けることにあります。
「技術の鎌長」と言われながら、最大の人員を営業に配しているのは、お客様のニーズをより的確につかみ、その要望に確実にお応えしていくためです。
お客様の声が、鎌長の事業を拓いてきた。
戦後、当社は分銅・おもりを製造していた事業を多角化して「はかり」の製造を始めました。はかりをつくるためには分銅が必要です。10トンをはかるには10トンの分銅が必要になります。しかし10トンの分銅など、当時は存在しませんでした。だから自社でつくったのです。その結果、分銅メーカーにしかつくれない、重いものをはかるはかりをつくることができるようになりました。それが、現在トップメーカーとなった「トラックスケール」の製造を始めた契機です。
その後、当社は「ホッパースケール」の製造にも乗り出しました。ホッパースケールとは粉体や液体を計量するための容器付きの計量装置のこと。当社では特に飼料などを貯蔵するためサイロに穀物等を搬入・搬出する際に使われるホッパースケールで高いシェアを占めています。古くは輸入された穀類は、港で船から一旦トラックに積んで、トラックスケールで重量をはかった後に、サイロに貯蔵していました。それが今では、船から空気輸送装置で吸引荷揚げして、ホッパースケールを通して計量しながらサイロに入れるようになっています。さらに当社は「パッカースケール」の製造にも着手。パッカースケールとは、粉体などを袋詰めするための計量装置のこと。ホッパースケールを通してサイロに貯蔵された飼料や食料を搬出する際に、数キロ~30キロ単位で袋詰めするためにも使われています。
分銅づくりから、積み荷ごとトラックをはかるトラックスケールへ、そしてホッパースケールや自動包装機へ、さらに食品や飼料業界の工場ラインを変えたと言われる連続自動供給システムへと、当社の製品および事業は進化していったのです。
また1960年代に遡るリサイクルプラントへの取り組みも始まりはお客様の声でした。トラックスケールを納めていた廃棄物処理施設を営むお客様から伺った「空き缶のスクラップが増えてきて困っている。空き缶を山盛りにして運んでいては、運送費も出ない」という悩みの声に応えるために、圧縮減容機や破砕機を開発。それが1997年の容器包装リサイクル法の施行と同時に事業化したリサイクルプラントの施工にまで拡大していったのです。