2019年09月02日
計量検定付きはかり(取引・証明用はかり)の使用地域区分とは
いきなりですが、スタジオジブリの映画「天空の城ラピュタ」の主題歌「君をのせて」。歌詞にこんなフレーズがあります。
「♪~地球はまわる 君をかくして~」
そう、地球は回っております。自転しています。
その結果、緯度によって重力が異なります。理由は以下のとおりです。
→回っているものには遠心力が働く
→遠心力は、回転の中心軸(地球の場合は北極と南極を結ぶ線)から距離が遠くなるにつれて大きくなる
※ 遠心力は地球の引力を打ち消す方向にはたらく
→遠心力が大きくはたらいているところほど、地球に引っ張られる力が小さくなる
→そのため、重力は北極と南極が最大で、赤道上が最小になる(緯度によって重力が異なる)
というワケです。狭い日本であっても、各地で重力が異なるのです。
この重力の違いが重力の加速度、すなわち「重力加速度」に表れます。これは弊社の製品に大いに影響があります。
例えば、弊社 鎌長製衡㈱の本社がある香川県高松市でつくったトラックスケールは、あらかじめ調整をしておかなれば、北海道札幌市ではそのまま使用できません。何もしなければ、同じはかりで1㎏のものを量っても、香川県高松市と北海道札幌市で異なる結果が出てしまいます。それは2つの地域で重力加速度が異なるからです。
ですので、トラックスケールを製造・出荷する際には、必ず使用地域を確認します。緯度が異なる→重力加速度が異なるため、適正に調整を行ったものを出荷しています。
対外的な取引・証明に使用するはかり(計量器)は、計量法で定められた者の実施する「検定」に合格したものでなければなりません。合格となった計量器には、検定証印が付されます。(指定製造事業者制度の場合は、「基準適合証印」が付されます。)
弊社の製品ですと、「トラックスケール」や「台はかり(※一部対象外あり)」、「ワイヤレスフォークスケール(フォースケ)」、「ハンドパレットスケール(パレスケ)(※一部の機種のみ)」等が、現状の検定付きはかりとなります。
今回のタイトルにあるもう一つの条件「検定付きはかり」についても触れたいと思います。
ただ、今回のタイトルのような「使用地域区分があるはかり」は、取引・証明用の検定付きはかり「全て」というワケでもありません。はかりに使用地域区分が「あるか」「ないか」の違いは、「精度等級」によって異なります。
「精度等級」とは、誤差を指定された限界内で保つための計量要件に適合する計器の等級のことです。
目量(隣接する目盛標識のそれぞれが表す物象の状態の量の差)、目量の数(そのはかりで量れる最大の量【ひょう量】÷目量、で求められる数)によって、旧計量法では3つ、新計量法では4つに区分されています。
・精度等級:H級・M級・1級・2級・3級 → 使用地域区分あり【←弊社のトラックスケールはこちら】
・精度等級:O級・4級 → 使用地域区分なし(対象外)
ただし、上記の精度等級にあてはまる、かつ検定付きはかりでも、「校正分銅内蔵のタイプ」は例外となっています。使用地域区分はありません。
実は「はかり」「計量器」とひと言でいっても、さまざまな制限・区分があるものなんですね。あぁ奥が深い。
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