2018年12月10日
計量キログラムの定義が変わります。
物事の基準が変わったとしたら? 日常生活で、これは結構な大事件になりますね。
今回はそんな、「基準が変わる」お話です。
実はこのたび、「キログラム」の定義が変わることになりました。
11月16日にフランスで開催された「国際度量衡総会」で決定したそうです。
130年ぶりの大改定です。ニュースや新聞でも取り上げられておりましたので、目にした方もいらっしゃるかもしれません。(同じく、物質量のモル、熱力学温度のケルビン、電流のアンペアについても基準が改定されます。)
質量の世界のお話になりますが、フランスに「国際キログラム原器」という分銅が保管されています。現物は、白金とイリジウムの合金でつくられた円柱状の金属で、直径も高さも約39ミリメートルだそうです。
この130年の永きにわたり、「国際キログラム原器」を基に、質量の「1kg」は定義づけられてきました。「国際キログラム原器」が世界の基準だったのです。
しかし、人工物であるため、時間の経過とともに、数値がわずかながら変化してしまうことが危惧されていました。そして検討が重ねられて、キログラム原器での定義づけが2019年5月19日をもって、廃止されることになりました。
では、来年5月20日からはどうなるのでしょうか?
今後は、誤差なく利用できる物理定数を基本とする方式へと変更されるのです。こちらです。
キログラムの新定義
→キログラムはプランク定数の値を、
正確に6.62607015×10のマイナス34乗ジュール・秒(Js)
と定めることによって設定される
「プランク定数」とは量子力学の重要な定数で、光が持つエネルギーの最小単位だそうです。実は、プランク定数の正確な数値を算出するにあたり、日本の産業技術総合研究所による精密な計測に成功したことで、日本の技術が世界貢献につながったといいます。
すごいですね。研究・発見・分析といった技術者の方々の努力がが、未来を支えてくれているのですね。
キログラムの定義は変わっても、私たちの普段の生活の中では大きな変化はございませんので、どうかご安心を。(例えば、急に体重の表記が変わったりもしません。)
(参考:日刊工業新聞 2018年11月21日付)
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