2016年04月03日
計量特定計量器と検定証印
まず「計量器」とは、「長さ」、「質量」、「時間」等「計量」の対象となる量(「物象の状態の量」)を「はかる」(計る、測る、量る)ための器具、機械又は装置のことをいいます。重さをはかるものだけを計量器というわけではなく、例えばストップウォッチのようなものも計量器に含まれます。
次に、「特定計量器」とは、計量器のうち、「構造」(計量器の基本的な構造や性能を示す基準)と「器差」(計量器の精度、許容される誤差)について守るべき技術基準を設定し、一定の行政コストをかけて検定を行う必要があるとして法律その他で定められているもの、を言います。ユーザーは、取引・証明に特定計量器を用いるときは、検定に合格したことを示す検定証印が付されたものを用いなければなりません。取引・証明とは「有償であると無償であるとを問わず、物又は役務の給付を目的とする業務上の行為」とされています。要は、売買や譲渡のときに、重量や長さなどの単位を示して受け渡しをする場合には取引・証明になるという事です。この法律には罰則もあります。
何のために、取引・証明に特定計量器を用いることが定められているかと言えば、人間にはモノの量を精確に知ることができず、計量器の数字を頼るしかないからです。例えば、お札なら数えることで、渡す方、受け取る方両方が同じ値だと知ることができますが、1キログラムのお米を買って手で持っただけで1キログラムだと精確にわかる人はあまりいないでしょう。計量器の数字を頼るしかないのに、その数字が間違っていたらどうなるでしょうか。渡す方、受け取る方のどちらかが損をすることになります。さらに計量器の値を誤魔化す人がいたらどうなるでしょうか。例えば買い手が強く、売り手が弱い場合、買い手の持っている計量器を買い手が不正により少ない値を出すように改造していたとしたら、売り手は大きな損をすることになります。お米の例でいえば、スーパーの店頭に置いてあるはかりで1キログラムと出ていたら1キログラムだと疑う人はほとんどいないでしょうが、実は900グラムしかなかったらお米を買った人は損をし、売る人は得をします。このように、より弱い立場の人が計量器のごまかしによって損をすることがないように、法律で行政によって正しさが担保された計量器(特定計量器)を使うように強制されています。
スーパーの店頭でお肉屋さんなどで置いているはかりをぜひご覧ください。必ず検定証印がついているはずです。
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